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2024.01.26
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52ヘルツのクジラたち

最近読んで圧倒的に面白かった小説は『52ヘルツのクジラたち』である。

この小説は、自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、虐待され、声を出せなくなった「ムシ」と呼ばれる少年の、孤独と愛の物語である。

物語は、貴瑚が東京から海辺の街へと移り住み、ムシと出会うことから始まる。貴瑚は、かつて自分も家族に虐待され、声を上げることができなかった過去を持つ。そんな彼女は、ムシに強く惹かれ、一緒に暮らし始める。

ムシは、母親から虐待され、声を出すことをできずにいた。そのため、彼は自分の感情を言葉で表現することができず、孤独に苦しんでいた。そんなムシを、貴瑚は優しく包み込む。

貴瑚とムシは、お互いの傷を癒し、支え合いながら、次第に心を通わせていく。そして、ふたりは、ともに生きていくための「願い」を抱くようになる。

この小説は、孤独と愛の物語であると同時に、希望の物語でもある。孤独に苦しむふたりが、お互いの存在によって、生きる希望を見いだす。そんなふたりの姿は、読者の心に温かな感動を与えてくれる。

また、この小説は、人間の「声」の持つ意味を問う作品でもある。声は、人と人とのコミュニケーションを円滑にするだけでなく、自分の感情や考えを表現する手段でもある。そんな声を失ってしまったムシは、孤独に追い詰められていく。

しかし、貴瑚との出会いによって、ムシは再び声を取り戻す。そして、彼は自分の声で、世界に伝えたいことを伝えるようになる。

この小説は、声の持つ意味を改めて考えさせてくれる作品でもある。

私は、この小説を読んで、孤独や愛の意味について、改めて考えさせられた。また、声の持つ意味についても、深く考えさせられた。

3月には映画も公開される様だが、こちらは微妙な予感がする。